送り手の言葉(恩師の退職・退官の場合)文例/例文

[お礼の言葉(送別会挨拶)]
・森元先生。このたびはつつがなくご退官の日を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます。
ここに同席しておられる諸先輩方をさしおいて、先生にお礼の言葉を述べさせていただくのは、非常に申し訳ないと同時に、晴れがましく感じております。

先生が当大学の教授になられて30年になります。私が先生に初めてお目にかかったのは、今から23年前のことです。 当時から先生は○○研究の第一人者として名を馳せておられました。特に○○に関する○○の手法は非常に画期的で、今でもこの分野の先駆けとして、研究者の中で知らないものはいません。

○○誌で先生の論文を拝見した私は、自分がいた○○大学の教授に頼み込んで無理矢理先生のところにおしかけました。

あとで先生にその時のことを伺うと、「とにかく顔を真っ赤にして語りかけて来る、熱心なヤツだと思った」とのことですが、私にとっては雲の上の人である先生に、「良かったらうちにいらっしゃい」とおっしゃっていただいた時の天にも昇るような気持ちは今でも忘れません。

その日から今日まで、私は先生のすぐ近くで、先生の技術、思考、発想のヒント、食べ物の好みから歩き方のクセまで、すべてを学んでやろうと努力してまいりました。
その結果、私が得た結論は、自分は先生のようにはなれない。ということです。これを学ぶまでに23年もかかった次第です(笑)。

その代わり、まさに23年間にわたり先生の生きざまを真近に見て、お人柄にふれ、生(なま)の教えを頂くことができました。

今回退官されるにあたり、私はまだまだ先生に教えていただきたいことが沢山あるような気がしてなりません。今後は故郷の○○にて○○の研究に専念されるとのこと。名残りはつきませんが、どうかお身体にお気を付けてますますのご活躍をされますよう、ご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。

長い間本当にありがとうございました。