落成式の進め方、準備等は?文例/例文

落成式

 落成式は、地鎮祭や上棟式と違って、関連会社や取引先、同業者、建築に関与した建築会社なども招待して、盛大に行います。
落成式の日取りは、完成日に近い大安吉日の日が選ばれるのが普通です。会場は、完成した建物の一部を利用します。

 
招待状

 担当者は、関連会社、取引先などの招待者の一覧表を、なるべく早目に作り、招待状は、二十日くらい前には発送するようにします。その際、返信用はがき、記念品引換券、駐車整理券、会場案内図なども忘れずに同封します。
返信はがきは、出欠の返事が遅れると整理に困りますので、式の十日くらい前までには返送されるように、余裕をもって、早目に出すようにします。

 
席順と胸章の準備

 その規模と形式によって違いますが、来賓席を設ける場合は、椅子の背中 に、会社名・肩書・氏名をつけておきます。ただし、表彰を受ける人は、表彰台に進みやすい位置に決めておくようにします。また、何かの都合で代理の人の出 席がよくあります。混乱のないように注意しましょう。
胸章を全員につける場合は、会社名と氏名を書いて準備します。

 
祝辞と乾杯の依頼

 乾杯の音頭をとる人は、招待者の中から、会社と縁の深い長老的な人を選んで、事前に了解を求めておき ます。また、祝辞が長くなると、場内がざわついたり、料理の味が落ちたりしますので、二、三人にしぼります。
祝辞をいただく人には、事前に頼んでおきます。この依頼は、丁寧にする時は、使者を出すことがあります。

 
感謝状

 建築会社へ感謝状と金一封を贈呈する慣習なので、これを用意します。感謝状の内容や形式も、慣習に従いますが、横書きにすることもあります。

 
役割分担

 大がかりな祝賀会は、社員のみで準備できるものではありません。そのため、ホテルに出張サービスを頼んだり、パーティのサービス会社に、パーティの企画から会場の飾りつけ、コンパニオンの斡旋、料理、記念品の選定や礼状の発送まで、すべてをまかせるところもあります。
しかし、そうでない場合は、会場の設営係をはじめ、会場総責任者、受付、接待係、進行係(司会も含む)、写真係、録音係、駐車場係など、必要に応じて分担を決めなければなりません。

 
記念品の準備

 当日は、お土産として記念品を配 ります。途中で帰る人にも渡せるように、受付に用意しておきます。なお、パーティが終わると、記念品を渡す受付や駐車場が混乱します。終了と同時に、接待係や進行係などが手伝うようにするとよいでしょう。

 
アトラクション

 アトラクションを行うかどうかは、企画の段階で決めておかなければなりま せん。ただ食べて飲むだけでは盛り上がらないため、バンド演奏や落語、漫才、手品などを行うことがあります。アトラクションを行う場合は、招待客の年齢層 や性格などを考えて適当なものを決めることが大切です。

 
服装

 幹部クラスまでは、正装か略式礼装にします。一般社員も、できるだけダークスーツなどのほうがよいでしょう。

 
会場点検と出迎え

 落成式の当日には、定刻三十分前までには、会場の点検と最後の打ち合わせをすませ、準備万端整えます。主催者側のおもだった人は、来賓や招待客を玄関で出迎えるようにし ます。受付は、招待状を受け取り、胸章を手ぎわよくつけて、招待客を会場へ案内します。

 
定刻に開会

 忙しい中をわざわざ釆てもらうのですから、定刻に始めるようにします。式はだいたい、次のように行い ます。

式次第
一、開会の辞
一、社長あいさつと工事経過報告
一、来賓祝辞
一、感謝状贈呈
一、謝辞
一、乾杯(万歳三唱) (乾杯の前に鏡割り行う場合も多い)
一、閉会の辞

 
パーティ

 落成式のパーティも、いろいろな形式がありますが、いろいろな人と交流ができ、自由に帰ることができるため、立食のカクテルパーティや、ビュッフェスタイルのパーティが多くなっています。
パーティでは、主催者側は全員が接待役に回ります。会社のPRや懇親の意味をこめて、招待者にまんべんなく話しかけ、飲み物などをすすめるとよいでしょう。
アトラクションを行う時は、あまり騒々しいと落ち着きませんので、時間を決めて休憩をとります。

 
閉会

 パーティは、だいたい一、二時間程度で終わるのが普通です。あまり長くなると、招待客も疲れてきますし、飲み物や食べ物が少なくなり、せっかくのムードが壊れてしまうことがあります。
なかなか区切りがつかない場合は、司会者が呼びかけて万歳を三唱するとか、閉会の音楽を流すなどの工夫をするとよいでしょう。ただし、落成式に「蛍の光」などの曲はふさわ しくありません。
なお、主催者側としてあいきつを述べる時は、出席者に対する感謝、落成するまでの多数の関係者の協力と努力に対する謝意、今後の厚情を願うといった内容で、心情を語るようにします。