落成式への参列文例/例文

落成式に招待されたら、なるべく早く出欠の返事を出すのが礼儀です。落成式は、ビルなどの新築にかかわる行事のうちで、最も盛大に行われます。先方では準備の都合上、一日も早く出席の有無を知りたがっているからです。

先方の会社との取引の状況や、過去の経過から、だれが出席するかがおよそ決まってきます。会社宛に招待状が届いた場合は、おめでたい祝賀会ですから、なるべく社長が出席するのが望ましいでしょう。招待側から社長宛に来た場合や、関係の深い相手の場合は、なおのことです。

お祝い品は、今までの取引や、つきあいの程度に応じて決めます。
新しい事務所で便う壁鏡、掛時計、電気器具の類、あるいは、スタンド形の灰皿、絵画などがよく利用されます。親しい会社同士で、高額のも のを贈る場合は、担当者を通じておよその金額を伝え、先方に希望の品物を決めてもらうほうが、生きた記念品になります。記念品には、「祝新社屋落成」の文字と落成年月、贈り主の会社名を入れます。

落成式は、新社屋、新工場などの落成披露ですから、参列者は宴席に出席するだけでなく、新建築物を見学するのがマナーです。そのためには、時間ぎりぎりではなく、十分に時間の余裕をみて出掛けるようにします。

落成式で、来賓として祝辞を依頼されている場合は、当日、新建築物をよく見学するだけでなく、事前にその建築物についての情報を、なるべく知っておく必要があります。
①建物の目的
事務所か工場か、工場なら何の工場か、研究所か物流倉庫かコンピューターセンターかなど。
②建物の立地条件
駅から何分、車で何分、海の近くか、景色がよいか、屋上から何が見えるかなど。
③建物の歴史
以前、その場所は何だったか。山林だったか、空地だったか、やはり同じ工場だったかなど。
④建物の特徴
設計者は○○○○で、機能的にどういう特徴をもっているかなど。

こうした建物についての事前の知識と、当日の建物見学とで見聞きした印象をうまく合わせ、その場にふさわしい祝辞にすることが大切です。

「本日は、新社屋落成まことにおめでとうございます。念願の新社屋が完成し、○○社長はじめ、社員の皆様のお喜びはいかばかりかとお察 し申し上げます。〇〇の角まで参り ますと、堂々たるこの建物が見えました。スマートな外観と、落ち着いた壁の色が、実によくマッチしております。御社のご発展を象徴する、堂々たる偉容でございます。社長の信念と、全社員のたゆまざる努力の成果が、ここにみごとに結実したものと申せましょう……」

あるいはまた、「思い起こしますと、つい十年前には、二階建ての小さな建物で、従業員の方も、今の半分もおられませんでしたが……」な どのように、以前の状況などから入り、それにひきかえて、今日の隆盛をたたえる表現の方法もあります。
いずれにしても、祝辞は明るい口調で、心からお祝いする気持ちをこめて話すようにします。また建築上の忌み言葉、「壊れる」「崩れる」「燃える」など、口にしない心配りも忘れないようにします。

乾杯の音頭を頼まれた場合は、「それでははなはだ簡放ですが、ご指名によりまして、乾杯の音頭をとらせていただきます」と、前置きをします。そして、一同のグラスに酒が満たされるのを待って、「○○株式会社、新社屋落成、おめでとうござい ます」と声を張り、グラスを目の高さに掲げます。

万歳の音頭を頼まれた時は、「それでは、○○株式会社の新社屋落成を祝し、あわせて同社の将来のご発展を祈り、万歳を三唱いたします。どうか、ご唱和をお願いいたします」 と述べ、「○○株式会社、万歳」と言います。そして、一同がそれに続き、計三回唱和して終わります。終わったら、「どうもありがとうございまし た」と一礼して席に座ります。
パーティに入ったら、話題は、な るべく新しい建築物にかかわる話題をとりあげます。