俳句同好会の幹事に選ばれて文例/例文

前幹事の△△さんが、勤務のご都合で転居されることになり、しばらくの間、この松風会にも出られなくなるので、幹事役を私にやってほしい、と内々ご相談をつけたのは、実は先月の定例句会のことでした。△△さんは松風会の発起人の一人であり、私どもがいまも杖とも柱とも頼みにしている方です。その△△さんに頼まれてしまいますと、私もお断りできず、私でお役に立てば、とこころよくお引き受けしたのですがゆっくり考えてみますと、これはどうも大変なことになったと、いささか周章狼狽の態でございます。

本日、この席で皆さんからもご賛同をうけましたものの、幹事としてはたして△△さんのように、立派にお役がつとまるかどうか内心では自信がありません。

いまあらためて、松風会の幹事の仕事について考えてみますと、まず句会の準備、会報の編集、会員の句作の批評などという役目がございますが、どれも私には荷が過ぎるようにも思われます。しかし、お引きうけした以上は、先輩の方々のご教導をうけ、何とかお役に立ちたいと思っております。

現在では、俳句にもいろいろの表現方法が用いられておりますが、大切なことは、五・七・五の定型をふまえて、もっとも純粋な心を、言葉としてうたい出すことであり、句会をもつということは、集まって作品を示し合い、それによって私たち人間の、もっとも純粋な心の中の思いをたどる、ということではないかと思います。

会員の皆さま方は、日ごろそれぞれに仕事を持ち、それぞれに生活をもたれているわけですが、この会においては、仕事のこと生活のことから一切はなれて、皆さんとともに句作をし、その句を通じて、会員の相互理解をはかりたいと思います。その上で、お互いに率直な感想を語り合うことから、ほんとうの批評が生まれてくるかと思われます。

最後になってしまいましたが、長年の間、松風会のためにご尽力、ご指導いただきました△△さんに、会員を代表しまして、厚くお礼を申しあげます。

△△さん、長い間ご配慮、ご指導をいただき、ありがとうございました。

これからは、一幹事として、少しでも△△さんの境地に近づきたいと、句作にも、日常の生活にもなおいっそうはげみまして、皆さまのご期待とご厚情にそうよう、努力するつもりでございますからどうぞよろしくお願い申しあげます。