自己紹介で好印象を与えるポイントと、してはいけないNG例

バイト先や学校など、初めて参加する場所で自己紹介をする機会はよくあります。そんなとき、ウケ狙いをしすぎてスベったり、緊張してしどろもどろになったりせずに、好印象を残せる自己紹介とはどんなものなのでしょうか。
自己紹介で相手に与える印象は、これから人間関係をスムーズに築けるかどうかに影響します。そのためには、その場で思いついたことをアドリブで言うのではなく、あらかじめ何を話すか準備しておくことが大切です。
今回は、好感を持たれやすい自己紹介のコツをご紹介します。

1. 好印象を与える自己紹介のポイント

タウンワークマガジン 自己紹介で好印象を与えるポイントと、してはいけないNG例【例文あり】自己紹介では、話す内容だけでなく表情や話し方、動作も見られているということを意識しましょう。好印象を与えるために気をつけたいポイントをお伝えします。バイトや就活の面接でも役に立つでしょう。

笑顔

大切なのは表情です。笑顔で挨拶するのは基本ですが、緊張していると、自然な笑顔で話すのが難しいこともあるでしょう。そういうときは無理にぎこちない笑顔を作るより、少しだけ意識して口角を上げ、明るい表情を心がけてみましょう。

ハキハキとした話し方

緊張すると早口になったり、自信がないとモゴモゴと聞き取りにくい話し方になりがち。意識して口を大きく動かし、ハキハキと明るく話しましょう。名前や出身地などのアピールしたい単語は少しゆっくりめに話し、文と文の間に適度な間を置くことも効果的です。準備した文章にとらわれすぎて棒読みになるのではなく、初対面の相手に伝わりやすいかどうかを意識してください。

姿勢を正しくし、人の目を見て話す

背筋をピンと伸ばすだけでも好印象になるものです。猫背になってうつむかず、顔を上げて全体を見渡すように話しましょう。大勢の人の前で話す場合は、視線を一番左奥にいる人から右奥、いったん左へ戻してまた右と「Z」形に動かしましょう。その際のポイントは、一人一人と視線を合わせることです。全員の視線を感じると緊張しますが、一人一人と視線を合わせる方法なら、瞬間的とはいえ「1対1」の関係を作れるので、緊張をやわらげるのに役立ちます。

余計な動作をせず、手は自然に体の前で組む

緊張すると、髪を何度もかき上げたり、口元を触ったりと落ち着かない動作をしがち。こういう場合、無意識にしてしまうときと、本人も良くないと気づきながら、ついやってしまうときがあります。こうした不自然な動作が多いと、聞いているほうも違和感を覚えてしまうものです。
それを防ぐために、両手は意識して自然に下ろし、体の前で重ねるのが良いでしょう。逆に、手を後ろに組むと偉そうに見えることがありますので注意してください。

お辞儀をしながら話さない

よくやりがちなのが、自己紹介の最後に「よろしくお願いします」と言いながらお辞儀をすることです。こうすると、「よろしくお願いします」の声が体を曲げる動作と重なって聞き取りづらくなります。
お辞儀は「よろしくお願いします」と言い終わってからにしましょう。

長すぎず短すぎない1〜2分が◎

自己紹介の長さもポイントです。長すぎると聞いている方が飽きてきたり、短すぎると素っ気なく感じられてしまいます。理想的なのは1〜2分程度。1分間に適切なスピードで話せる文字数は300字程度です。300~600字以内の自己紹介をあらかじめ用意しておくと、突然自己紹介を求められたときでも慌てずに済みます。

2. 自己紹介の仕方

タウンワークマガジン 自己紹介で好印象を与えるポイントと、してはいけないNG例【例文あり】具体的な自己紹介の例を見てみましょう。異なるシーンでの2パターンの例をご紹介しますので、参考にしてください。

バイト先などでの挨拶を目的とした自己紹介

新しく始めたバイトの勤務初日、スタッフが集まるミーティングの場などで自己紹介を求められたときに、伝えるべきポイントは次の通りです。

・氏名、年齢、学校名などの基本的な情報
・配属先、担当する仕事、勤務開始日
・これからお世話になる先輩やスタッフ仲間への挨拶
・仕事をする上での抱負

以上を踏まえて、例文をご紹介します。

例)「はじめまして。本日からフロアスタッフとして入りました、○○○○と申します。現在、□□大学△△学部の2年生です。まだわからないことも多く、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、早く仕事を覚えて戦力になれるよう頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」
特に自己紹介の機会が設けられず、そのまま仕事に加わる場合は、忙しくないタイミングを見て、個別に自分から先輩に自己紹介をしましょう。その際、先輩の顔と名前をあらかじめ覚えておいて、「▽▽さん」と名前で呼びかけてから挨拶すると好印象です。

学校やサークルなどで打ち解けるための自己紹介

かしこまった自己紹介ではなく、場を和ませて親しみを持ってもらえるような自己紹介ができると良いでしょう。突っ込まれやすいネタを交えた「突っ込まれ自己紹介」の例をご紹介します。

例)「はじめまして、○○○○です。よく人には「老け顔だね」といわれるのですが、みなさんと同じ19歳です。小学校3年生の頃から今の顔なので、しばらくはこれ以上老けずにこのままの顔でいく予定です。こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします。」
例)「こんにちは、福田愛です。1字違いの卓球の愛ちゃんと同じ宮城県の出身ですが、運動オンチで卓球は苦手です。気合を入れるのは得意なので、場を盛り上げたいイベント事や飲み会の席にはぜひお誘いください。」
例)「今日からみなさんのお仲間に入れていただきました○○○○と申します。メガネ女子なので勉強できそうって思われがちですが、目が悪いのは単にゲームのやりすぎです。私に勉強を教えてくれる人と、ゲーム仲間を募集中です。よろしくお願いします。」
内容にかかわらず、自分の名前やニックネーム、出身地や趣味など相手に覚えてもらいたいキーワードを含んだ「突っ込まれ自己紹介」をうまくできると、相手も声を掛けやすいでしょう。

3. これはNG!嫌がられる自己紹介とは?

タウンワークマガジン 自己紹介で好印象を与えるポイントと、してはいけないNG例【例文あり】自分では良かれと思ったことが、かえって逆効果になることもあります。出だしから悪いイメージを持たれかねない、自己紹介のNGポイントとその対策についてお伝えします。

長い

話し好きの人、語りたがりの人は要注意です。自分は面白い話をしているつもりでも、聞いている全員が興味を持って耳を傾けているわけではありません。気分良く話していたら、いつの間にか長話になっていたということにならないよう、自己紹介は十数秒から長くても1~2分以内に収めるようにしましょう。

声が大きすぎたり、わざとらしい笑い声を上げる

ハキハキと元気な声で話すことは大切ですが、声を張りすぎたり、わざとらしい笑い声をあげると、「押し出しの強い人」「自己主張の強すぎる人」「虚勢を張った人」と思われてしまう場合も。「明るく元気に」は大事ですが、自己紹介ではほどほどにするよう注意しましょう。

「えーと」「あのー」などが多い

「えーと」「あの~」「その~」などは、多くの人が言ってしまいがちな言葉ですが、あまりに繰り返されると、気になって肝心の話の内容が頭に入ってこなくなります。「昔から挨拶が苦手で……」という人は、あらかじめ自己紹介の内容を紙に書き出して何度か練習し、スラスラ言えるようにしておくと、「えーと」が少なくなります。

姓だけしか名乗らない

名字と名前を合わせて自分の氏名です。初対面の人が多い自己紹介の場合は、「名字+名前」のフルネームを名乗りましょう。

自慢っぽい

自慢話はいい印象にはなりにくいものです。自分をアピールすることは大事ですが、学歴や財産、容姿についてなど、自分では冗談のつもりで話していても、相手によっては嫌味や自慢と取られてしまうことがあります。それを避けるためには、例えば「〜が得意です」という表現を「〜が大好きです」と言い換えるだけでも印象は変わるでしょう。

個性を出しすぎる

個性的な自己紹介をしようとするあまり、誰もついていけないようなマニアックな話題を長々と話してしまうと、最初のうちこそ聞いているほうは「へぇ~」と思って聞いていても、だんだん飽きてくるものです。また、「やたら主張が強い人」「奇をてらってる」という印象になってしまう場合も。自己紹介の場で話すなら、興味を持ってもらえそうな話題や共通項になりそうな趣味を選んで話したほうが親近感を持ってもらいやすいでしょう。

ネガティブ発言が多い

ネガティブな発言ばかりの暗い自己紹介もNGです。謙虚でいることが常に相手に良いイメージを与えるとは限りません。自虐ネタも行きすぎると、聞くほうも反応に困ってしまいます。
大切なのはバランスです。「〜は苦手(未経験)ですが、以前から興味がありチャレンジしたいと思っていました」などと、初めにネガティブな発言があっても、後半でフォローして前向きな方向でまとめるよう意識しましょう。

どことなく見下したような言動

軽い気持ちで言ったことが、ずっとそこで働いている人や、その学校やサークルに憧れて入った人にとって不快に思われてしまうこともあります。「そこまで興味はなかった」「特別好きなわけではないけど」「これならできると思った」など、そこで一生懸命頑張っている人たちに水を差すような発言は控えましょう。もし本当にそう思っていたとしても、自己紹介の場で人に言うことではありません。

4. 印象に残りやすい自己紹介のコツ

タウンワークマガジン 自己紹介で好印象を与えるポイントと、してはいけないNG例【例文あり】自己紹介の目的はうまく話すことではなく、相手に自分を覚えてもらうことです。そこで、印象に残りやすい自己紹介のコツを例文付きでご紹介します。

名前や出身地に関する話題

自己紹介では時間も限られており、話す内容も似たり寄ったりになりがちです。その中で印象に残る自己紹介をするには、最初のつかみが重要です。名前や出身地を話す際にも、ひと工夫加えると覚えてもらいやすくなるでしょう。

例)「坂内涼介です。「サカウチ」ではなく「バンナイ」と読みます。珍しい名字だとよくいわれますが、出身地の○○県△△市では同じ名字の人がたくさんいます」
自分の名前の由来や漢字についての説明をすると名前のアピールになり、さらに出身地の話題とつなげられれば印象に残りやすくなります。

例)「出身は、せんべいで有名な埼玉県の草加市です。もちろんせんべいは大好きです」
例)「お笑い芸人の▲▲と同じ中学の同級生で、応援するうちにすっかりお笑い好きになりました」

このように、出身地を都道府県だけでなく、多くの人が知っている話題と関連づけるのも、聞き手がイメージしやすく、共感されやすいでしょう。ただし、行きすぎて話が自己紹介から脱線しないよう、ひと言でまとめましょう。

趣味やマイブームについての話題

趣味については、「読書」「映画観賞」と対象を限定しない漠然とした言い方をするよりも、「推理小説が好き」「韓国ドラマにハマっている」など、具体的なひと言を付け加えたほうが印象に残りやすくなります。

例)「映画が好きでよく観に行きますが、特に洋画が好きで最新作は常にチェックしています。お好きな方がいたら、ぜひいろいろとお話ししましょう」
例)「お酒が好きで、最近はワインにハマっています。あまり強くなくて量は飲めないのですが、一緒に飲みに行ってくれる人がいましたら、ぜひよろしくお願いします」

例)「大学では写真部に入っていて、休みの日はよくプチ撮影旅行をします。お花見やバーベキューなどイベント事でもカメラ係としてみなさんの写真を撮らせていただきたいと思います」

「趣味は料理です」「サークルでは野球をやっています」だけで終わってしまうと、ありきたりで覚えてもらえないかもしれませんが、そこにもう1つ情報が加わることで、ほかの人と差別化ができ、「パン教室に通っているんだ」「メジャーリーグが好きなんだ」などと印象に残って、話しかけてもらえるネタになりやすいでしょう。
趣味がない場合でも、「特にありません」はNG。休みの日に何をするか、何をしているときが楽しいと感じるか、思い浮かんだことを好きなこととして紹介すればOKです。自分を知ってもらえるチャンスを無駄にしないように、座右の銘でも好きな食べ物でも、自分の興味があることについて何か1つ話ができるようにしておきましょう。

5. 印象に残る自己紹介で、周囲に一歩リード!

自己紹介の短い言葉だけで、自分のことを初対面の相手に理解してもらおうとするのは難しいもの。でも、「もっと知りたい」「話しかけてみたい」と思ってもらえれば、自己紹介は成功といえます。これから人間関係を築いていく上で、スムーズなスタートを切れるといいですね。
言い間違えたりつっかえたり、少々スベってしまったとしても、大きな問題にはなりません。それよりも、飾らずに自分の言葉で、自分の人となりを伝えることのほうが大切です。学生の皆さんは、これからも何度となく自己紹介をする場面がでてきます。ぜひ自分だけのエピソードを盛り込んだ、印象的な自己紹介を考えてみてくださいね。